○小美玉市職員ストレスチェック実施規程
平成28年8月24日
訓令第23号
(趣旨)
第1条 この訓令は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)を実施する制度(以下「制度」という。)の運用に当たり、必要な事項を定めるものとする。
(適用範囲)
第2条 この訓令は、小美玉市職員の給与に関する条例(平成18年小美玉市条例第45号。以下「条例」という。)第5条第1項各号のいずれかの適用を受ける職員及び小美玉市就業規則(平成18年小美玉市規則第33号)第9条の適用を受ける職員に適用する。ただし、職員が担当する職務の特性上、他の制度により実施することで、合理的かつ効果的に運用されると認められるときは、当該他の制度の適用を優先し、この訓令の適用から除外する。
2 前項に規定する職員であっても、療養休暇、休業又は休職等の事由によりストレスチェックを受けることができない場合は、適用から除外することができる。
(職員の制度への協力)
第3条 この訓令の適用を受ける職員は、制度の趣旨を踏まえ、実施等に関し、適正かつ円滑に運営されるよう協力し、毎年行うストレスチェックの受検に努めるものとする。ただし、受検に当たり、現に専門医療機関に通院しているなどの特別な事情がある場合は、この限りではない。
(制度の周知)
第4条 市は、職員のストレスチェックの実施に当たり、職員が容易に確認できる方法を用いて制度の趣旨等を周知する。その際、次に掲げる事項を特に明示しなければならない。
(1) 職員のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的とし、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしていないこと。
(2) 職員にはストレスチェックを受けなければならない義務はないが、対象となる職員すべての受検が望ましいこと。
(3) 検査の結果は、電子メール又は書面にて直接本人に通知され、本人の同意なくして法で認める者以外が閲覧することはできないこと。
(4) 職員本人から、面接指導を申し出た場合、又は検査結果の開示に関する同意があった場合の情報は、適切かつ適正に取り扱うものとし、当該情報は本人の健康管理の目的のために使用され、それ以外の目的に使用されることはないこと。
(制度の実務担当者)
第5条 制度の実施計画策定及び計画に基づく実施の管理等は、総務部人事課の所掌事務とし、その実務は当該課において労務管理の事務を担当する職員が行う。
2 前項に規定する実務を担当する職員のうち、主に担当する職員一人の氏名を、職員に対する実施方法の通知の際、あわせて周知し、事情により当該担当者が変更となった場合は、その都度周知する。
(制度の実施者)
第6条 制度の実施者は、産業医とする。
3 実施者(実施代表者及び共同実施者を含む。以下「実施者等」という。)の周知方法は、前条第2項の規定を準用する。
(制度の実施事務従事者)
第7条 制度の実施事務従事者は、衛生管理者のほか、第5条第2項の規定に基づき氏名を周知する実務担当者とする。
2 実施事務従事者は、次に掲げる事務を行う。
(1) 制度の実施日程の調整及び連絡に関すること。
(2) 制度の調査及び管理に関すること。
(3) 実施者等との連絡及び調整に関すること。
(4) 前各号のほか、実施者等の指示事項の処理に関すること。
3 実務担当者である実施事務従事者は、職員の同意がない個人の検査結果の把握及び事務作業等を担当することはできない。
4 前項の規定を遵守するため、当該職員には書面によりその旨を誓約させなければならない。
5 実施事務従事者の周知方法は、第5条第2項の規定を準用する。
(面談の実施)
第8条 制度の検査結果に基づき行われる面談は、産業医の承認の上で、共同実施者が指定する医師が行う。
(制度の実施期間)
第9条 ストレスチェックは、会計年度内において、連続する2週間から1ヶ月間の期間を目安に実施する。ただし、実施年度における特殊事情等がある場合は、必要に応じて実施期間を調整することができる。
(受検の方法等)
第10条 受検する職員は、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであるという制度の趣旨を踏まえ、自身の状況のありのままを誠実に回答するよう努めるものとする。
(調査票及び調査方法)
第11条 ストレスチェックは、厚生労働省が示す「職業性ストレス簡易調査票」を満たした内容で行う。
2 ストレスチェックは、庁内LANを用いてオンラインで行う。ただし、庁内LANを用いた受検が困難な職員については、必要に応じて、書面を用いた検査に替えることができる。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「マニュアル」という。)」に示されている素点換算表又はこの素点換算表の条件を満たした調査表を用いて行い、その結果を棒グラフ等、受検した職員が結果を理解しやすい方法で表示し行う。
2 マニュアルに示される「評価基準の例(その1)」に準拠し、以下のいずれかに該当する職員を高ストレス者とする。
(1) 心身のストレス反応(29項目)の6尺度について、素点換算表により5段階評価に換算し、6尺度の合計点が12点以下(平均点が2.00点以下)である職員
(2) 仕事のストレス要因(17項目)の9尺度及び周囲のサポート(9項目)の3尺度について、素点換算表により5段階評価に換算し、12尺度の合計点が26点以下(平均点が2.83点以下)である職員
(ストレスチェック結果の通知方法)
第13条 ストレスチェックの個人結果の通知は、実施代表者の指示により、共同実施者が行う。
2 通知は、情報が各職員にあらかじめ割り当てた電子メールアドレス(派遣等を命じられている職員にあっては、派遣先組織において個人用に割り当てられた電子メールアドレスをいう。以下同じ。)に対し、電子メールで行う。ただし、第11条第2項ただし書きの規定により、書面で受検した職員に対しては、ストレスチェック結果を書面に記載して、封筒に封入封緘の上で通知する。
4 前3項の規定による通知、告知並びに勧奨は、受検者の自主性と個人情報の秘匿性を考慮し、原則、それぞれ1回に限り行うものとする。
(職員のセルフケア)
第14条 職員は、ストレスチェックの結果及び結果に記載された実施者等による助言指導に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めるものとする。
(ストレスチェックを受けるのに要する時間の取り扱い)
第15条 職員がストレスチェックを受けるのに要する時間は、制度の趣旨を勘案し通常勤務の範ちゅうとして取り扱い、職務専念義務の免除を要さない。
(医師との面談の申し出方法)
第16条 ストレスチェックの結果、医師との面談を受ける必要があると判定された職員が、当該面談を希望する場合は、結果通知日から30日以内に、共同実施者が指定する方法により行う。
2 医師との面談を希望する職員は、前項の通知にあわせ、共同実施者が指定する方法により、自身の結果を人事労務管理部門へ提供することについて同意しなければならない。
3 職員における医師との面談は、あくまで当該職員の自由意思により申し出るものであることを踏まえ、共同実施者は面談を勧奨することはできるが、強要することはできない。
4 共同実施者、実施事務従事者並びに人事労務管理部門は、前3項の規定により面談を希望し、若しくは面談を受けた事実を、第三者に知られることがないよう十分に配慮しなければならない。
(面談の実施方法)
第17条 面談の実施は、共同実施者が指定する場所で行う。
2 面談の日時は、共同実施者と実施事務従事者が調整した上で決定し、職員への通知は実施事務従事者が行う。
3 共同実施者及び実施事務従事者は、職員から面談の申し出があった場合は、速やかに面談を実施されるよう努めるものとする。
(面談結果に基づく医師の意見聴取方法)
第18条 共同実施者は、面談を行った医師から当該面談結果と意見について、面談が終了してから30日以内に、人事労務管理部門へ書面により提出するものとする。
(面談結果を踏まえた措置)
第19条 面談を行った医師から、面談を受けた職員に関する就業上の措置が必要との意見が付された場合は、人事課長及び実務担当者は面談を行った医師又は産業医のほか、共同実施者と具体的措置を協議するものとする。
2 人事課長及び実務担当者は、前項の協議結果を踏まえ、市長の承認を得た上で決定し、その措置の内容及び理由等について当該職員に対し説明するものとする。
3 職員は、前項の規定により決定した措置について、正当な理由がない限り、これに従わなければならない。
(集計及び分析の対象集団)
第20条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計及び分析は、小美玉市行政組織規則(平成18年小美玉市規則第4号)別表第1から別表第3に定める部又は課の単位(他の任命権者に属する組織については、これに準ずる単位とする。以下同じ。)で行う。ただし、当該部又は課の単位が極端に少人数であって、個人の結果を特定できる恐れがある場合は、他の部又は課の単位と合算した上で、集計及び分析を行う。
(集計及び分析の方法)
第21条 集団ごとの集計及び分析は、マニュアルに示す仕事のストレス判定図又はこれに準ずる方法を用いて、共同実施者が行う。
(集計及び分析結果の利用)
第22条 共同実施者は、人事労務管理部門に対し、課単位に集計及び分析されたストレスチェック結果(個人のストレスチェック結果が把握又は特定できない部分に限る。)を提供する。
2 人事労務管理部門は、前項の規定により提供を受けた結果を踏まえ、必要に応じて、職場環境の改善のための措置のほか、関係職員に対して研修等を実施する。
(ストレスチェック結果等の保管)
第23条 ストレスチェックにおける個人の結果及び集団の結果の記録の保管及び管理は、原則として、書面によらず電磁的記録によるものとする。
2 前項に規定する電磁的記録は、実施年度ごと区分し、電磁的記録の暗号化やパスワード設定を施すなどの人事労務管理部門と共同実施者が協議決定した適切な方法により、保管及び管理するものとする。
(人事労務管理部門に提供された結果等の保管)
第24条 人事労務管理部門に提供された個人の結果の写し及び集団の結果、面談に関する書面、その他これに類する記録等は、保管庫に施錠の上で管理し、5年間保存する。
2 前項に規定する事項を適切に行うため、人事課長及び実務担当者を管理責任者とする。
(ストレスチェック結果の共有範囲)
第25条 職員の同意を得て、人事労務管理部門に提供されたストレスチェックの結果の写しは、当該部門のみで保有し、他に提供しない。
(面談結果の共有範囲)
第26条 第18条の規定により提出された書面は、人事労務管理部門のみで保有し、他に提供しない。ただし、就業上の措置の内容など、限定して情報を提供する必要がある場合はこの限りではない。
(集団ごとの集計及び分析結果の共有範囲)
第27条 実施者等から提供された集計及び分析結果は、人事労務管理部門で保有するとともに、課単位の集計及び分析結果については、必要に応じて当該課の所管長に提供することができる。
2 課単位の集計及び分析結果と、その結果に基づいて実施した措置の内容は、衛生委員会に報告する。
(苦情申し立ての手続き)
第28条 職員による制度に関する苦情の申し立ては、職員からの苦情相談に関する規則(平成20年小美玉市公平委員会規則第1号)の規定に基づき行うものとする。
(禁止行為)
第29条 市は、いかなる理由があっても、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) ストレスチェックを受けない職員に対して、その受けないことを理由として、不利益な取り扱いをすること。
(2) 職員の同意を得て人事労務管理部門に提供されたストレスチェック結果に基づき、その結果を理由として、当該職員に不利益な取り扱いをすること。
(3) ストレスチェック結果で、医師との面談を勧奨された職員が、そのことに基づき医師による面談を申し出た当該職員に対して、不利益な取り扱いをすること。
(4) ストレスチェック結果で、医師との面談を勧奨された職員が、医師との面談を申し出ない職員に対して、その申し出ないことを理由として、不利益な取り扱いをすること。
(5) ストレスチェック結果を、人事労務管理部門に提供することに同意しない職員に対して、その同意しないことを理由として、不利益な取り扱いをすること。
(6) 就業上の措置を必要とする職員に対して、当該措置を行うに当たり、法その他法令に定められた手順によらず、又は定められた要件を満たさず、若しくは決定された措置の内容を遵守せず、不利益な取り扱いをすること。
(補則)
第30条 制度の実施等については、この訓令に定めるもののほか、法その他法令の定めるところによる。
附則
この訓令は、平成28年10月1日から施行する。
附則(令和2年訓令第6号)
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。