○小美玉市男女共同参画条例

平成20年12月22日

条例第43号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本理念(第3条―第9条)

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務(第10条―第15条)

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第16条―第26条)

第5章 小美玉市男女共同参画審議会(第27条)

第6章 雑則(第28条)

附則

日本国憲法には、個人の尊重と法の下の平等がうたわれており、男女平等の実現に向けては、昭和50年の国際婦人年から今日まで、世界では国際連合を中心として、女性に対する差別をなくす目的で作られた女子差別撤廃条約が採択されるなど、積極的な取組が行われてきました。

日本でも、男女が公平な労働条件の下で働くことを目指した男女雇用機会均等法や男女が平等な立場で生活することを目指した男女共同参画社会基本法が制定されるなど、男女平等を実現するための法律や制度がしだいに整備されてきました。

小美玉市においても、平和で豊かな男女共同参画社会の実現に向けて、男女が平等な立場でいきいきと暮らす社会づくりに向けて、様々な取組を行ってきました。

しかしながら、依然として性別による固定的な役割分担意識やこれに基づく社会慣行が存在しており、真の男女平等の達成にはさらなる努力が求められています。

こうした世の中の動きを踏まえ、小美玉市では、多様な性のあり方や人権が尊重され、一人ひとりが個性と能力を発揮し、責任を分かち合う男女共同参画社会づくりに、自分たちの暮らす地域全体で取り組んでいくために、市民の参画により、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女の人権の尊重及び平等の理念並びに小美玉市自治基本条例(平成19年小美玉市条例第26号。以下「自治基本条例」という。)第21条の規定に基づき、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定めるとともに、市、市民、事業者及び教育関係者の責務と基本施策を明らかにすることにより、男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画

すべての人が、性別にかかわりなく、社会の対等な構成員として、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画することをいう。

(2) 市民

市内に居住し、通学し、通勤し、又は市内で活動する者をいう。

(3) 事業者

個人又は法人にかかわらず、市内において事業を行うすべての者をいう。

(4) 教育関係者

学校教育、社会教育その他あらゆる教育現場に関わる者をいう。

(5) 積極的改善措置

男女共同参画を推進するため、必要な範囲内において、男女間の格差を積極的に改善することをいう。

(6) セクシュアル・ハラスメント(性的いやがらせ)

性的な言動により他人の生活環境を害すること及び性的言動に対する他人の対応によりその他人に不利益を与えることをいう。

(7) ドメスティック・バイオレンス(配偶者等への暴力)

配偶者、恋人等の親密な関係にある者への身体的又は精神的な苦痛を与える暴力行為及びそれを目撃することで起こる子ども等への心理的虐待をいう。

第2章 基本理念

(男女の人権の尊重)

第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が直接的にも間接的にも性別による差別的な取扱いを受けないこと、性別にとらわれず個人として能力を発揮する機会が確保されること、その他男女の人権が尊重されることを旨として行わなければならない。

2 男女共同参画の推進にあたっては、男女の性別にかかわらず、性同一性障害をもつ人その他多様な性をもつ人の人権についても配慮しなければならない。

(暴力の根絶)

第4条 男女共同参画の推進は、あらゆる形態の暴力を根絶することが、男女共同参画社会を実現するために不可欠であることを旨として行わなければならない。

(社会制度又は慣行についての配慮)

第5条 男女共同参画の推進にあたっては、性別による固定的な役割分担にとらわれることのないように、社会における制度又は慣行をできるかぎり中立なものとするように配慮しなければならない。

(共同参画の機会確保)

第6条 男女共同参画の推進は、男女が市の政策又は事業者における方針の立案及び決定に共同して参画する機会を確保するために、積極的改善措置をとることを旨として行わなければならない。

(家庭生活とその他の活動の両立)

第7条 男女共同参画の推進は、男女が家族の一員として、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と学校、職場、地域などの活動を両立させることができるようにすることを旨として行わなければならない。

(性と生殖に関する健康と権利)

第8条 妊娠、出産などに関して男女が互いに理解を深め、性と生殖に関する健康と権利が尊重されることを旨として行わなければならない。

(国際協調)

第9条 男女共同参画の推進は、国際社会と協調することを旨として行わなければならない。

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務

(市の責務)

第10条 市は、前章の基本理念にのっとり、男女共同参画施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。

2 市は、男女共同参画の推進にあたっては、市民、事業者、国及び他の地方公共団体との連携に努めるとともに、男女共同参画施策を実施するための体制の整備その他必要な措置を講じるものとする。

(市民の責務)

第11条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進の重要性を自覚し、市と協力して、積極的に男女共同参画を推進するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第12条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うにあたって、男女共同参画を積極的に推進するとともに、働く男女が仕事と家庭生活等を両立させることができるように職場環境を整備し、市が実施する男女共同参画を推進するための施策に協力するよう努めなければならない。

(教育関係者の責務)

第13条 教育関係者は、基本理念にのっとり、それぞれの教育の場において男女共同参画の推進に配慮するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第14条 すべての人は、家庭、学校、職場、地域及びその他社会のあらゆる分野において、性別を理由として、直接的にも間接的にも差別的な取扱いをしてはならない。

2 すべての人は、家庭、学校、職場、地域及びその他社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 すべての人は、家庭、地域及びその他社会のあらゆる分野において、ドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

(情報に関する留意)

第15条 すべての人は、公衆に情報を提供するにあたっては、性別による固定的な役割分担及び前条に規定する行為を助長し、又は連想させるような表現その他過度な性的表現を行わないように努めなければならない。

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策

(基本計画)

第16条 市長は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な施策の大綱

(2) 男女の人権の尊重に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ第27条に規定する小美玉市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民及び事業者の意見を反映するよう努めるものとする。

4 市長は、基本計画を策定し、又は変更したときは、すみやかにこれを公表しなければならない。

(施策の策定などにあたっての配慮)

第17条 市は、施策の策定及び実施にあたっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。

(市民及び事業者の理解を深めるための措置)

第18条 市は、基本理念に関する理解を深めるため、市民及び事業者へ情報の提供、広報啓発活動その他適切な措置を講じなければならない。

(教育及び学習の振興)

第19条 市は、学校教育、社会教育その他の教育の分野において、男女共同参画の推進に関する教育及び学習の振興を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

(調査研究)

第20条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の策定に必要な調査研究を行うものとする。

(審議会などにおける男女共同参画の推進)

第21条 市は、各種審議会の設置にあたり、審議会の委員の委嘱などを行う場合は、男女の均衡に配慮するよう努めるものとする。

(市民及び事業者に対する支援)

第22条 市は、男女共同参画の推進に関する市民及び事業者の活動を支援するため、情報の提供、人材の育成その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(推進体制の整備)

第23条 市は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な推進体制を整備するものとする。

(財政上の措置)

第24条 市は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(報告書の作成及び公表)

第25条 市長は、必要に応じ、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとする。

(苦情及び相談)

第26条 市は、男女共同参画の推進に関する市民並びに事業者からの苦情及び相談を処理するための総合的な窓口を設けるものとする。

第5章 小美玉市男女共同参画審議会

(審議会の設置)

第27条 男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、小美玉市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 前項の審議会について必要な事項は、小美玉市男女共同参画審議会条例(平成20年小美玉市条例第26号)に定める。

第6章 雑則

(委任)

第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

小美玉市男女共同参画条例

平成20年12月22日 条例第43号

(平成21年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第6節
沿革情報
平成20年12月22日 条例第43号