○小美玉市長等の政治倫理に関する条例

令和4年3月28日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者たる市長、副市長及び教育長(以下「市長等」という。)が、市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、その地位による影響力を不正に行使して自己又は特定の者の利益を図ることのないよう必要な事項を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応え、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(市長等の責務)

第2条 市長等は、その職務を遂行するに当たり、市政に携わる者としての権限と責務を深く自覚し、市民の信頼に値する倫理性の保持に努めるとともに、市民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理規準)

第4条 市長等は、次に掲げる政治倫理規準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者として、名誉と品位を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として、常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市が行う許可、認可等の行政処分又は補助金等の交付の決定に関し、特定の企業、団体等のために有利な取り計らいをしないこと。

(4) (市の出資法人等(市が出資している法人その他市の行政運営と密接な関連を有する公共的団体のうち市規則で定めるものをいう。)を含む。)が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、特定の企業、団体等のために有利な取り計らいをしないこと。

(5) 市職員の公正な職務の執行を妨げ、その権限を不正に行使するよう働きかけないこと。

(市民の調査請求権)

第5条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第18条に定める選挙権を有する市民は、市長等が前条に規定する政治倫理規準に違反する疑いがあると認めるときは、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者(以下「調査請求代表者」という。)から市長に対し、当該政治倫理規準に違反する疑いのあることを証する資料を添付して、調査を請求することができる。

2 市長は、前項の規定による調査の請求を受けたときは、当該請求が同項に定める要件を満たすものであることを確認した後、速やかに小美玉市長等政治倫理審査会に調査審議を付託しなければならない。

3 市長は、次条第8項の規定による調査審議の結果の報告があったときは、速やかに当該報告書の概要を公表しなければならない。

4 市長は、前項の規定による公表を行った後、直ちに当該報告書の概要を調査請求代表者に送付しなければならない。

(小美玉市長等政治倫理審査会)

第6条 前条第2項の規定により市長から付託された事項について調査審議を行うため、法第138条の4第3項に規定する附属機関として、小美玉市長等政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、委員7人以内で組織する。

3 委員は、社会的信望があり、市長等の職務に係る倫理の保持に関し公正な判断をすることができ、かつ、地方行政に関し高い識見を有する者及び法第18条に定める選挙権を有する市民のうちから必要な都度、議会の承認を得て市長が委嘱する。

4 審査会の委員は、審査が終了したときは、解嘱されるものとする。

5 第3項の規定により委嘱された委員に欠員が生じた場合は、速やかに委員を補充するものとする。ただし、補充された委員の任期は前任者の残任期間とする。

6 委員は、再任されることができる。

7 審査会は、第1項の調査審議を行うため必要があると認めるときは、関係者から意見若しくは説明を聴き、又は資産報告書その他の資料の提出を求めることができる。

8 審査会は、調査審議が終了したときは、その結果を市長に報告しなければならない。

9 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

10 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、市規則で定める。

(市長等の協力義務)

第7条 市長等は、審査会からの要求があるときは、審査会に必要な資料を提出し、審査会の会議に出席して説明を行う等、調査審議に必要な協力をしなければならない。

(虚偽報告等の公表)

第8条 審査会は、市長等が前条に規定する調査審議に必要な協力をしなかったとき、又は審査会に虚偽の報告をしたときは、その旨を公表するものとする。

(有罪判決後における説明責任の確保)

第9条 市長は、市長等が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪により、第1審有罪判決の宣言を受け、引き続きその職にとどまろうとするときは、その理由を市民に対して説明するため、説明会を開かなければならない。この場合において、市長等は、当該説明会に出席し、釈明しなければならない。

2 市民は、前項の説明会において、市長等に質問することができる。

(贈収賄罪等の刑の確定後の措置)

第10条 市長等は、前条に規定する罪によりその刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市民全体の代表者としての名誉と品位を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、自ら辞職の手続を執るものとする。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、市規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

(小美玉市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 小美玉市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成18年小美玉市条例第40号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

小美玉市長等の政治倫理に関する条例

令和4年3月28日 条例第1号

(令和4年4月1日施行)